福岡県における2012年度の温室効果ガス総排出量は6,419万トンで、基準年度(1990年度ただし、HFC、PFC及びSF6は1995年度)に対して4.9%増加し、昨年度(2011年度)に対しては3.4%増加しています。
福岡県の人口シェアは全国の4%程度であるのに対し、総排出量は全国の4.8%を占めています。
温室効果ガスの種類別排出内訳は、二酸化炭素が全体の約97%を占めています。
福岡県のエネルギー消費量(エネルギー転換部門と工業プロセス部門を除く最終エネルギー消費量)は、1990年度が595PJであるのに対し、2012年度は602PJで、この間に1.1%増加しています。また、対昨年度比でみると2.8%減少しています。
部門別では民生部門の家庭と業務、運輸部門で約15%~26%(対基準年度比)の高い伸び率を示しています。なお、対昨年度比では、運輸部門が0.7%増加したものの、その他の各部門では約2%~4%減少しています。
福岡県における2012年度の二酸化炭素排出量は6,212万トンで、基準年度(1990年度)に対して5.8%増加し、昨年度(2011年度)に対しては3.2%増加しています。
人口1人当たりの排出量は12.15トン/人で、基準年度から0.9%減少し、昨年度(2011年度)に対しては2.1%増加しています。
2012年度の民生(家庭)部門の二酸化炭素排出量は832万トンで、二酸化炭素総排出量の13.4%を占めています。
エネルギー種別の排出量内訳は、電気が74%を占めて最も多くなっています。
基準年度に対しては72.9%増加し、昨年度に対しては10.6%と大きく排出量が増加しています。これは、原子力発電の運転停止で、電力の排出係数が悪化し、2011年度と比べて更に約17%増大(0.525→0.612㎏CO2/kWh)したことが大きく影響しています。
2012年度の民生(業務)部門の二酸化炭素排出量は792万トンであり、総排出量の12.8%を占めています。
基準年度に対しては64.2%、昨年度に対しては9.7%排出量が増加しています。
エネルギー種別の排出量内訳は、電気が約85%を占めています。
2012年度の運輸部門の二酸化炭素排出量は1,104万トンで、総排出量の17.8%を占めています。
排出源別の内訳は、自動車が85%と最大で、国内航空7%、国内船舶5%、鉄道3%となっています。
排出量を基準年度比でみると、22.7%増加しており、伸び率としては自動車、鉄道、国内航空が大きくなっています。
昨年度比(2011年度)の排出量は、1.1%増加しています。
2012年度の自動車の二酸化炭素排出量は938万トンで、基準年度に対して23.4%増加し、昨年度に対しては0.2%増加しています。
基準年度からの増加要因は、自動車の保有台数が年々増加しているためと考えられます。特に、燃費の良い軽自動車が増加し、その分自家用乗用車が減少傾向にあります。
昨年度からは自家用乗用車、営業用乗用車・貨物車、軽乗用車が微減で、その他車両は微増であり、全体的な変化はわずかです。
燃料別排出量はガソリン63%、軽油36%、LPガス1%となっています。
2012年度の産業部門の二酸化炭素排出量は2,769万トンで、総排出量の44.6%を占めています。このうち96%が製造業から排出されています。
基準年度に対しては8.2%減少し、昨年度(2011年度)に対しては0.7%増加しています。
基準年度からの排出量は6.5%減少していますが、業種別にみると、化学工業、食料品は減少し、鉄鋼業と窯業・土石業は、ほぼ横ばいの傾向、電気機械は54.6%、輸送用機械は120.1%増加しています。燃料別にみると、石炭、重油は減少傾向が継続していますが、電気はゆるやかな減少傾向にあったものが、2011年度から大きく増加し、2012年度は基準年度の116.3%になっています。石油系燃料と石炭系燃料、その他燃料が増加しています。
製造・加工プロセスからの二酸化炭素排出量は2012年度で579万トンであり、二酸化炭素総排出量の9.3%を占めています。
基準年度に対しては34.0%減少し、昨年度に対しては0.9%増加しています。基準年度比の減少要因としては、工業プロセス部門の約88%を占めるセメント製造に伴う排出量の減少と、アンモニア製造での二酸化炭素排出がなくなったことが考えられます。
2012年度の二酸化炭素排出量は70万トンでした。これは二酸化炭素総排出量の1.1%を占めています。
排出量内訳をみると、一般廃棄物が74%、産業廃棄物が26%を占めています。
排出量は基準年度に対して20.8%増加し、昨年度に対しては3.0%減少しています。