本県における2002年度の温室効果ガス総排出量は6,098万トンで、基準年度（1990年度ただし、ＨＦＣ、ＰＦＣ及びＳＦ６は1995年度）に対して0.4％減少しています。
全国の総排出量の4.6％を占め、人口シェア（3.9％）を上回っています。
温室効果ガスの種類別排出内訳は、二酸化炭素が全体の98％を占めています。
福岡県のエネルギー消費量（エネルギー転部門と工業プロセス部門を除く最終エネルギー消費量）は、1990年度が595ＰＪ※、2002年度は655ＰＪで、この間に10％増加しています。
人口１人当たりのエネルギー消費量は、1990年度が124ＭＪ※／人、2002年度は131ＭＪ／人で、この間に５％増加しています。
福岡県における2002年度の二酸化炭素排出量は5,932万トンで、基準年度（1990年度）に対して１％増加しています。この増加率は全国（約11％増加）と比べて非常に低いといえます。
人口１人当たりの排出量は11.83トン／人で、基準年から４％減少しています。
排出量の減少要因は、全排出量の６割を占めている産業部門と工業プロセス部門が景気の低迷などで排出量が減少した点と電力の排出原単位が低減した点が考えられます。
部門ごとの変化傾向は、運輸部門、民生（家庭系、業務系）部門、廃棄物部門といった県民生活に密着した部門からの排出量が増加し、その他の部門はいずれも減少しています。
2002年度の二酸化炭素排出量は548万トンで、全排出量の９％を占めています。
基準年度に対しては14％排出量が増加していますが、エネルギー消費量はこの間に29％増加し、特に電気の消費量が大きく伸びています。
エネルギー種別の排出量内訳は、電気が54％と半数以上を占めています。
2002年度の二酸化炭素排出量は556万トンで、全排出量の９％を占めています。
基準年度に対しては15％排出量が増加していますが、エネルギー消費量はこの間に34％増加し、特に電気の消費量が大きく伸びています。
業種別では、事務所、ホテル・旅館、医療機関の３業種で65％を占めています。
エネルギー種別の排出量内訳は、電気が63％と半数以上を占めています。
2002年度の二酸化炭素排出量は1,183万トンで、全排出量の20％を占めています。
排出源別の内訳は、自動車が84％と最大で、国内航空９％、国内船舶６％、鉄道１％となっています。
基準年度に対しては約32％排出量が増加しており、特に自動車が大きく伸びています。
自動車の車種別排出量では、自家用乗用車が53％と半数以上を占め、燃料別ではガソリン58％、軽油40％、ＬＰガス２％となっています。
2002年度の二酸化炭素排出量は2,785万トンで、全排出量の47％を占めています。このうち96％が製造業から排出されています。
基準年度に対しては８％減少しており、原因は主に製造業によるものです。
製造業の排出量内訳をみると、業種別では鉄鋼業、窯業・土石業、化学工業の３業種で９割近くを排出しています。燃料別では石炭系燃料が55％を占めています。
製造・加工プロセスからの二酸化炭素排出量は2002年度で748万トンあり、全排出量の13％を占めています。福岡県は国内有数のセメント生産県であるため、この部門の全国シェアは15.2％と大きくなっています。
排出源としては、セメント製造によるものが88％を占めています。
基準年度に対しては15％減少しており、原因は主にセメント生産量の減少によるものです。
なお、福岡県では産業廃棄物の一部がセメント製造時の補助的燃料として多く受け入れられています。
