福岡県の温室効果ガス排出量の推移
2021年度の福岡県の温室効果ガス総排出量は、4,240万トンで、そのうちの98％を二酸化炭素が占めており、その排出量は4,167万トンとなっています。
福岡県の二酸化炭素排出量の部門・分野別内訳
福岡県は、全国と比べて産業部門と工業プロセス分野、運輸部門の二酸化炭素排出割合が高く、エネルギー転換部門、家庭部門、業務部門で低くなっている。
福岡県の二酸化炭素排出量の部門・分野別伸び率
部門・分野ごとの排出量の伸び率をみると、廃棄物分野は2018年度を除き、概ね横ばいで推移している。廃棄物分野の2018年度は他の年度と比べて高い値となっている。これは廃油と廃プラスチックの処理量急増によるもので、後者は中国の受け入れ中止が原因となっている。家庭部門、業務部門では、原発停止によるCO2排出係数の上昇に伴い2011～2012年度に急増、2014～2018年度にかけて減少した後は、概ね横ばいで推移している。産業部門、運輸部門、工業プロセス分野、エネルギー転換部門は、基準年度以降減少傾向が続いている。
福岡県における2021年度の温室効果ガス総排出量は4,240万トンで、増減率をみると基準年度と比べて31.5％、前年度と比べて3.2％減少している。
基準年度の温室効果ガス総排出量の約99％を占めていた二酸化炭素総排出量の減少に伴い温室効果ガス総排出量も減ってきている。一方、僅かな量であるものの、代替フロン等４ガスのうちパーフルオロカーボン（PFC）、六フッ化硫黄（SF
6）、三フッ化窒素（NF
3）の総排出量が基準年度及び前年度に比べて増加している。
福岡県の人口シェアは全国の約4.1％であるのに対し、温室効果ガス総排出量は全国の3.6％
※を占めており、人口シェアに比例した総排出量となっている。
2021年度の温室効果ガスの種類別排出内訳では、福岡県は全体の約98％を二酸化炭素が占めており、その割合は全国に比べて大きい。
2021年度の福岡県のエネルギー消費量（エネルギー転換部門を除くエネルギー起源の最終エネルギー消費量）は471ＰＪであり、基準年度比で13.7％減少しているが、前年度比では2.9％増加している。
部門別では、4部門とも基準年度と比べて減少しているが、前年度と比べると増加している。
2021年度の部門別消費量構成は、基準年度と概ね同程度であった。
2021年度の福岡県の二酸化炭素排出量は、4,167万トンで、基準年度比31.7％、前年度比3.2％減少している。
人口１人当たりの排出量は8.2トンで、基準年度から3.7トン、前年度から0.2トン減少している。
2021年度の家庭部門の二酸化炭素排出量は515万トンで、福岡県全体の二酸化炭素総排出量4,167万トンの12.4％を占めている。
エネルギー種別の排出量内訳は、71％を占める電気が最も多く、次いでLPガス、都市ガス、灯油の順となっている。
基準年度と比べて電気が最も減少し、続いて灯油も減少している。LPガス、都市ガスは基準年度と同程度であった。
2021年度の二酸化炭素排出量は564万トンで、福岡県全体の二酸化炭素総排出量4,167万トンの13.5％を占め、基準年度の1,113万トンと比べて49.4％、前年度と比べると8.5％減少している。
燃料種別の排出量内訳は、電気が84％、都市ガスが6％を占めており、それ以外のエネルギー種ではいずれも5％以下となっている。
二酸化炭素排出量は、全体として基準年度を境に減少傾向にあり、2021年度は基準年度と比べてほぼ半減している。
2021年度の運輸部門の二酸化炭素排出量は785万トンで、福岡県全体の二酸化炭素総排出量4,167万トンの18.8％を占めており、基準年度と比べて18.9％、前年度と比べて0.2％減少している。
二酸化炭素排出量の内訳は、自動車が約89％を占めており、それ以外の区分ではいずれも1割以下となっている。
運輸部門の二酸化炭素排出量は、2001年度以降減少傾向が続いている。
2021年度の産業部門の二酸化炭素排出量は1,620万トンで、福岡県全体の二酸化炭素総排出量4,167万トンの38.9％を占めている。このうち約95％が製造業から排出されている。
製造業の二酸化炭素排出量は、2014年度以降減少傾向が続いている。
2021年度の工業プロセス分野の二酸化炭素排出量は555万トンであり、福岡県全体の二酸化炭素総排出量4,167万トンの13.3％を占めている。
工業プロセス分野の排出量内訳をみると、セメント製造が全体の89％を占め最も多く、次いで鉄鋼製造が7％、生石灰製造が4％となっている。
2021年度の二酸化炭素排出量は、基準年度と比べて9.4％減少したものの、前年度と比べて1.7％増加している。
2021年度の廃棄物分野の二酸化炭素排出量は81万トンで、福岡県全体の二酸化炭素総排出量4,167万トンの1.9％を占めている。
排出量内訳をみると、2021年度は一般廃棄物が76％、産業廃棄物が17％、原燃料焼却が7％で、前年度と同程度となっている。
2021年度の排出量は、基準年度、前年度と比べて、それぞれ4.0％、1.6％減少している。
産業廃棄物の排出量は、2018年度に急増したが、2019年度は19万トンと減少し、2021年度は14万トンであり、基準年度と比べて26.0%減少している。
二酸化炭素吸収量
2021年度の二酸化炭素吸収量は63万トンであり、前年度と比べて変化はなく、基準年度と比べて20.1％減少している。
二酸化炭素吸収量の大部分は、森林による吸収であり、2021年度では吸収量全体の98.4％を占めていた。
森林による吸収をみると前年度と比べて変化はなく、基準年度と比べて20.4％減少している。
