〇改正の背景
国は、国際、国内の両面において、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた、2030年度温室効果ガス46パーセント削減の実現と50パーセントの高みに向けた挑戦を続けています。
「国際」の観点では、脱炭素技術、サービス等の普及や対策実施によるパートナー国の排出削減に加え、国内企業の海外進出や国の削減目標達成にも貢献する二国間クレジット制度(JCM)について、地球温暖化対策計画に目標として定める2030年度までの累積1億トン程度の国際的な排出削減・吸収量の確保を目指し、2024年2月現在、29の国との間でJCMパートナー国としての協力覚書に署名し、250件以上の事業を実施していますが、パートナー国の拡大やプロジェクトの形成を含め、その目標達成に向けて取組が必要です。
また、「国内」の観点では、地域共生型再生可能エネルギーの導入拡大に向け、2021年に創設された地域脱炭素化促進事業制度の活用を一層促進するため、制度の更なる拡充が求められています。
本法律は、このような背景を踏まえ、JCMの実施体制を強化するための規定を整備するとともに、地域脱炭素化促進事業制度の拡充等の措置を講じ、国内外で地球温暖化対策を加速するものです。
〇主な内容
(1) 二国間クレジット制度(JCM)の実施体制強化等
JCMのクレジット発行、口座簿の管理等に関する主務大臣の手続等を規定するとともに、主務大臣が指定する機関にこれらの手続等の一部を実施できるようにする指定法人制度を創設。
(2) 地域脱炭素化促進事業制度の拡充
現在、市町村のみが定めることができる再生可能エネルギーの促進区域等について、都道府県及び市町村が共同して定めることができることとし、その場合、複数市町村にわたる地域脱炭素化促進事業計画の認定を都道府県が行う。
(3) その他
日常生活の温室効果ガス排出削減を促進するため、原材料調達から廃棄までのライフサイクル全体で排出量が少ない製品等の選択やライフスタイル転換を国民に促す規定を整備。