A12:世界全体の目標は
<究極の目標>
・国際的な連携の下に 、気候変動枠組条約が掲げる究極的な目標は「気候系に対する危険な人為的影響を及ぼすこととならない水準において、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させること」を目指すことです。
・また、そのような水準は、生態系が気候変動に自然適応し、食糧の生産が脅かされず、かつ、経済開発が持続可能な態様で進行することができるような期間内に達成されべきであるとしています。
・COP15では、地球温暖化による環境激変を回避するためには、産業革命以前と比べ世界平均気温の上昇を2度内に止めることが各国のコンセンサスを得ています。
・このためには、温室効果ガスの全球濃度をどの程度に抑えるべきなのか、抑えるべき濃度に安定化させるにはどのように削減していけばよいのか、モニタリング(観測・監視)はどうするのかなど、いまだ科学的議論の途上にあります
<中期目標>
・気温上昇を2℃以内に止めるには温室効果ガス排出量を大幅削減する必要がありますが、研究者レベルでは、2050年までに温室効果ガス(あるいは二酸化炭素)の排出量をおおよそ半減させるという意見が国際的に主流になりつつあります。この「おおよそ半減」とは、温室効果ガスの人為排出量が自然吸収量の約2倍になっているという事実をもとにしたものです。・「2050年までに」というのは、危険な気候変動を避けるという理由から、「大気中の二酸化炭素濃度を約550ppmで安定化させ、全球平均気温の上昇を+2℃以内に抑える」という目標から逆算して、少なくとも2050年に半減がすることが望ましいという欧州などの主張です。