企業経営等における脱炭素化


目次
  1. 取組事例
  2. 具体的な取組
    (1)環境マネジメントシステム
    (2)ESG金融
  3. その他参考情報
    (1)再エネ電気小売業者一覧
    (2)J-クレジット制度
    (3)ガイドライン等

 これまで、企業の気候変動対策は、あくまでCSR活動の一環として行われることが多かったが、近年では、国際的なESG投資の潮流の中で、自らの企業価値を高めるため、グローバル企業を中心に脱炭素に向けた目標設定が進んでおり、サプライチェーン内の中小企業に対する温室効果ガス排出量の開示や削減を促す動きが広がっています。
 また、東京証券取引所プライム上場企業に対するサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量の開示義務化についても検討が進められており、気候変動対策を自社の経営上の課題と捉え、事業の脱炭素化を図る「脱炭素経営(脱炭素の視点を織り込んだ企業経営)」の重要性が高まっています。
 企業にとって、脱炭素経営は、世界的なエネルギーを巡る不確実性が高まり、エネルギー価格が高騰、高止まる中、エネルギーの効率的な利用によるランニングコストの低減に留まらず、脱炭素に向け目標設定を行った大手企業との取引継続や、新たに誘致されたグローバル企業との新規取引、企業のビジョンや実績を重視する人材の確保につながる取組となっています。
 効果的に脱炭素化を進めていくためには、まず、自社のエネルギー使用量や温室効果ガス排出量をみえる化し現状把握を行った上で、設備投資・運用改善の費用対効果や回収期間を試算し、必要な削減対策を事業計画の中に落とし込む脱炭素経営を進めていく必要があります。

【出典:脱炭素経営とは(環境省)、中小規模事業者向けの脱炭素経営導入ハンドブック(環境省)】


1.取組事例

(1)中小規模事業者向けの脱炭素経営導入事例集(環境省R5.3.6公表)

 環境省が令和2年度・3年度に実施した「中小企業の中長期の削減目標に向けた取り組み可能な対策の可視化モデル事業」、令和4年度に実施した「中小企業の温室効果ガス削減目標に向けた脱炭素経営促進モデル事業」で支援した脱炭素経営に取り組む中小企業の事例をまとめたもの。
 

(2)省エネ事例集2024年度版(一般財団法人省エネルギーセンター)

 毎年、省エネルギーセンターが実施した省エネ診断の事例を中心に、省エネ取組の好事例を掲載しています。様々な業種・用途の事業所における「コストをかけずに実行できる運用改善対策」と「高効率設備への更新や設備改造を伴う投資改善対策」について、個々の対策の内容と効果を紹介。


(3)福岡県中小企業等脱炭素化先進事例集(福岡県R5.3作成)

 県内中小企業の脱炭素に係る先進事例を取材し、令和4年度に作成した事例集を掲載しています。
 

2.具体的な取組

(1)環境マネジメントシステム

 組織や事業者が、その運営や経営の中で自主的に環境保全に関する取組を進めるにあたり、環境に関する方針や目標を自ら設定し、これらの達成に向けて取り組んでいくことを「環境管理」又は「環境マネジメント【環境省HP】」といいます。


(2)ESG金融

 気候変動対策をはじめとして、持続可能な社会に向けた戦略的なシフトが必要不可⽋と叫ばれる昨今、市場ではESG⾦融【環境省HP】の重要性が急速に⾼まっています。
 

3.その他参考情報

(1)再エネ電気小売業者一覧

 九州電力送配電区域における再エネ電力メニューの販売状況を掲載しています。
※一覧については、こちらをご覧ください。


(2)J-クレジット制度

 J-クレジット制度は、太陽光発電設備の導入や省エネルギー機器への更新、森林経営などの取組を実施することで、削減または吸収されるCO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。
※詳細については、こちらをご覧ください。
【出典:J-クレジット制度について(J-クレジット制度事務局)】


(3)ガイドライン等

中小規模事業者向けの脱炭素経営導入ハンドブック~これから脱炭素かへ取り組む事業者の皆様へ~Ver.1.0(環境省R5.3改定)
 これから脱炭素経営の取組をスタートする中小規模事業者を対象に、脱炭素経営のメリット及び取組方法について「知る」「測る」「減らす」の3ステップで解説。併せて参考ツールとして企業の取組事例(計28社)を別途掲載。また脱炭素経営についてポイントを簡単に解説したパンフレットも新規追加。

中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック~温室効果ガス削減目標を達成するために-Ver.1.1(環境省)
 環境省が令和2年度・3年度に実施した「中小企業の中長期の削減目標に向けた取り組み可能な対策の可視化モデル事業」で得られた知見を踏まえて、中小企業における中長期的な削減計画の検討の進め方を整理したもの。

SBT等の達成に向けたGHG排出削減計画策定ガイドブック 2022年度版(環境省)
 企業が中長期的視点から全社一丸となって取り組むべく、成長戦略としての排出削減計画の策定に向けた検討の手順、視点、国内外企業の事例、参考データを整理。Scope3排出削減の肝となるサプライヤーとの排出削減に関連した解説を拡充。また企業の取組事例(計19社)を別途掲載。

カーボンフットプリント ガイドライン(環境省)
 カーボンフットプリントの算定等に取り組む者に対する指針を示しています。

TCFDを活用した経営戦略立案のススメ~気候関連リスク・機会を織り込むシナリオ分析実践ガイド 2022年度版(環境省)

インターナショナルカーボンプライジング活用ガイドライン~企業の脱炭素投資の推進に向けて~(2022年度版)(環境省)

中小規模事業所向け省エネ手引書(福岡県地球温暖化防止活動推進センターR4.12作成)
 基礎情報編、技術編、支援編の3編について、福岡県地球温暖化防止活動推進センターが作成。

カーボンニュートラル時代への第一歩「省エネ」経営で課題解決(一般社団法人省エネルギーセンター)
 省エネによる「コスト削減=利益のアップ」とカーボンニュートラルの進め方について具体的な対策を紹介。


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